2014年1月31日金曜日

日本の音楽教育への疑問


今度は日本の音楽教育について。これについては異論ある人もいるだろうけど。

おいらはいわゆる「移動ド」の考え方が大嫌いだ。おかしいと思う。

「移動ド」というのは説明するまでもないと思うけど、キーの主音を「ド」と呼ぶ考え方。じゃあ、440ヘルツの音を固定的に呼ぶ方法はどうするのかというと、なんと「イロハ」の「イ」で呼ぶのだそうだ。

おいおい、21世紀にイロハはないでしょう。太平洋戦争の「い号作戦」じゃあるまいし。

ポピュラー音楽、少なくともジャズの世界では「CDE」で音を呼ぶのがあたりまえ。イロハなんか習っても、ロックバンドがリハーサルで「おい、さっきのハの音、ちょっと低いぞ」っていうのはかっこわるいよ~。ジャズでもかっこわるい。
もしかしてこうやって、お偉いさんたちが嫌いなポピュラー音楽を根絶やしにしようとしているの?

ではクラシックの人たちはイロハで呼んでいるのかというと、おいらの知人のクラシック演奏家は「ドレミだよ」といっていた。つまり、「移動ド」でなく「固定ド」だね。その知人も「移動ドはだめ」といっていた。

では、移動ドをやめたとして、そのキーの主音やある順番の音をどう表せばいいか。

そんなの簡単だよ。そもそもおいらたちジャズミュージシャンは常にキーを基準とした話し方をしているわけではないよ。キーがなんであろうが「G音」「F#」といえばいいだけの話。

キーを基本に考える場合は「ⅢⅥⅡⅤ」という。3番目の音をわざわざ「ミ」とかいわずに、「3」と呼ぶわけだ。それでじゅうぶんでしょ。リハで「じゃあラストは「
ⅢⅥⅡⅤ テキトーに繰り返して」といったりする。それで通じるよ。

いまでも本によっては楽譜ではC音なのに下の解説では「このファが・・・」などとかいてあるのがあるけど、気持ち悪くなるよ。

あとね、これだけはいわせてもらうけど、ドレミ、CDE、そしてⅠⅡⅢは世界共通。通じないところもあるけど、対象の音楽が西洋音階によるものならだいたい通じる。だけど、イロハは日本だけ、いや日本ですら通じないぞ。それなのにいまの学校教育では国の方針でイロハを教えるわけだ。そういう子どもを育てて、文部科学省は何をするつもりだろう?



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書籍「日本人の音楽教育」



「日本人の音楽教育」という本を読んだ。のだけど・・・

日本人の音楽教育 (新潮選書)  
ひとことでいうと、まるでダメ。
著者はよっぽどなにか鬱積したものをもっているのだろうか。ひたすら対談相手に自分の考えに誘導するかのようなことを何度も何度も言い方を変えて言っている。はっきりいってつまらない。

具体的なことはここには書かないが、著者はまちがった理想論をもっていると感じた。

実際の音楽教育についておいらが意見できる資格などないけど、ひとつだけ「これだけは違う」とふだん感じていることをいおう。

ハ長調の主和音を説明するときに五線にはドミソと書いてある。
これはいい。

つぎに、属和音がシレソ、下属和音はドファラ。
は?
これらのことを予備知識なしにつきつけてくる。
和音のしくみなどは簡単なのだから、まずそこを説明すべきだろう。そのうえで転回を教えればよい。はじめから転回された形をいきなり提示するから、読者や生徒は和音の法則がわからないのだ。

ところが、小学校の音楽の授業からこの表現を使用しているらしい。「どうしてドミソは1つおきに音を拾うのに、ドファラは違うのだろう」と思うと、わけがわからなくなるでしょ。というかそんな疑問さえうまれないだろう。「わからない」と思うだけ。結果として「音楽なんてつまらねえや、やーめた」となるのだ。
 あるマナー講師が「相手に伝えよう、わかってもらおうという気持ちがない、それは相手に対する敬いがない証拠」といっていた。これはメールや商談での言葉遣いに対していったことだけど、敬いはないにしても、相手にわかってもらおうという気持ちがない、そこまで気が回らない文章は不愉快だよね。電気製品の説明書も専門用語だらけで、読む人の知識レベルを考慮していないのが困る。教育にたずさわるひとは、そういうことを考えないと、あなたのお客さんをなくすことになりますぜ。


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2014年1月30日木曜日

クルマで聴くジャズ



別のところで「ジャズはおしゃれではない」といったけどね、ジャズを聴き始めた青二才のころは、当然おいらもおしゃれだと思っていた。

いや、言いなおそう。最初期からコルトレーンの「至上の愛」をヘビロテしていたおいらだから、ジャズすなわちオシャレ、ではなく、「おしゃれなジャズもある」という認識だった。それは正しいことだよね。

そうすると、若々しいころは「ジャズ=おしゃれ」が「おしゃれなジャズを聴いているおいらはかっこいい」という転換をするわけだ。これを読んでいるあなた、ちょっとギクッとしたでしょ。

80年代を生きてきたひとなら、FMラジオやレンタルCDで特製ドライブ・ミュージックのカセットテープ(もう知らない人いるかも)を夜更かしして作って、翌日のデートでさりげなくそれをカーステレオで流す、なんてことをしたことあるでしょ。またはいつかそういう日を夢見てカセットづくりだけは念入りにしていたとかw

それをジャズでやろうとしたおいらは相当のアホである。車に乗るとエンジン音やタイヤの音で低音が聴こえなくなるのだ。

さりげなくBGMのように流すので音量が小さい。自分の満足いくまで音量をあげると同乗者にとっては騒音となってしまう。

電車に乗っているときにスマホでジャズを聴けばすぐわかることだけど、ジャズはベース音が聴こえないとコード感がなくなりわかりづらい場合がある。

それに対して、ポップスやロックはベース音が聴こえなくても上でしっかりとギターなりがコードを弾くため、曲想はぼやけない。

おまけにしじゅうギターが鳴り響いていたり圧死するほど音を重ねているポップスにおいては、ベース音などバランス程度の役割しかない。が、ジャズはピアニストが音数少なく弾いたりリハモしたりする場合でベースが聞こえないと、なれてない曲などは一度見失うとわけわからなくなる。

さらに、ジャズファンはこの事実に気付いていないようだけど、一般人はボーカルが入っていない音楽を聴くことができない。すぐ眠くなる。または曲の違いがわからずどれも同じに聴こえる。嘘じゃない、複数の非ジャズファンの意見を総合するとこういう結論になっちゃう。

そんなこともあり、待ちに待ったデートで、がんばっておしゃれっぽいジャズを流しても、逆効果ですからね。ビル・エバンスがセシル・テイラーのように聴こえてしまうかもしれない。

そんなことをしようとしていたキミ、経験者がいうのだから、よしたほうがいいぞ。




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